YABESOYの生活エッセイ  


住んでいる逗子のことやアートやデザインのこと、読んだ本など日記含め、いろいろ。



■2019.03/12「脱サラ芸術家」


今まで平日昼間は会社員、夜と土日は制作という暮らしだったが、
30代を迎え色々と限界だったようで、2月に会社を退職し、アートを大切にすることにした。


会社員という安定収入がなくなるのはとても怖い。
今の会社は兼業禁止だからプロとして作品発表は難しい。
そんなこんなで、
「いつか退職はするだろうけど、貯金したいし、今はもう少しがんばろう」と思っていたが、
仕事も休みの日も精神的に余裕がなくて、いつも何かに追われているようでしんどいのである。

いよいよ辞めようかどうか悩んでいた時、自分ではよくわからなくなってきたので、
横浜の実家に寄った。(相談できる友人がいないのである)

実家の周りは、個人商店がどんどん潰れ、駐車場ばかりが増えていたのが印象的だった。

少し散歩してみたところ、昔、よく通っていたけれど、
だいぶ前にお店を畳んだはずの雑貨店にあかりが。そして人たちが。

中を覗いたところ、下駄サンダル、人形、革小物、アロマなど、様々な作家たちがおり、
こじんまりと展示販売をしていた。
正直、「こんな場所で、売れるのか?」と思った。

地元だからはっきり言えるが、
横浜とはいっても、本当に辺鄙なところで、
オシャレとかあまり関係のないエリアなのだ。

お店を開いていた方(閉店した雑貨店のお嬢さんなのだそう)にお話を聞いたところ、
この場所で何かしたいという気持ちに従った、とのこと。


売れるものだったらコンビニにあるわけで、
そういう目の前の収益やお金ではなく、
ここではちょっとした文化を育むようなつもりで、
でも将来的には作家たちが色々できるようにするつもりなのだとか。

こういう発展途上やプロセスをそのまま出すのが、私はすごく怖かった。
ドローイングとか、描いている姿とか、恥ずかしい。
「まだまだ途中だから」
「イマイチだから」
「しっかり人に見せられるようになるまでは見せられない」

底の浅さがバレてしまいやしないか、と不安だから。

あんな辺鄙なところに、作家を集めちゃう人もいるんだということを
直接目の当たりにして、どうも強い印象を受けたらしい。

これで、すぐに「退職だ!」と行動に移せたらかっこいいんだけれど、
やはり小心者なので、
うじうじと、自分が何をしたいのか、それでいて見切り発車じゃない方法を考え続けた。

やっぱりアートだった。

緊張しながら同居人に伝えたところ、
「いいじゃない。
最近、悩んでると思ったけど、
なんだそんなことだったの。安心した」
と言われた。

拍子抜けした。

「やりたいこととやれる能力、両方あって羨ましい」と言われた。

私は、幸せなのかもしれない。
迷わず退職した。

とりあえず、毎日描いているドローイングはインスタグラム
に投稿しよう。
(インスタ開設もご縁があって進めてくれた方がいた)

まともに校正だとかできていないからだのの言い訳で
アップできないでいたウェブの生活エッセイ(このページのことです)には、
もっと気楽に、ちょっとした日記やコラムも載せてしまうことにしました。

これからどうぞ、よろしくです。

やあべそい




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