YABESOYの生活エッセイ  


住んでいる逗子のことやアートやデザインのこと、読んだ本など日記含め、いろいろ。


 


2020.0224アンテナの感度

2019年から2020年と、ピエール瀧さん、沢尻エリカさん、槇原敬之さんと間隔を開けつつもコンスタントに薬物使用や所持で逮捕された。
その度にテレビでは薬物の危険性を訴える。
曰く、ドラッグというものはどうやらとんでもない幻覚を見せてくれたり、信じられない感覚をもたらすだどの非日常体験を提供してくれるらしい。

そんなこと報道したら、刺激を欲するクリエイターは飛びつくやもわからんなと思う。

私は芸術家として自分の将来がいつも不安で仕方ないくらい、感受性があまり豊かではない。
キラキラした光や音楽、花がいつまでも咲き誇る風景など、圧巻!なものに心を動かされない。
色々な人に会ってきたけれど、素敵なダンスな音楽に触れたら、インスピレーションや舞い降りてきたりイマジネーションが湧いて出たりするそうだ。

そして、人を感動させるものを生み出すのだ。
なんということか。ああ、羨ましい。


私は心の底から感動したこと、夢中になれることってあるのだろうか。
アーティスト側でないにしても、アイドルや食、そこまで自分を持っていける人が心から羨ましい。

私がとても好きな色である、エメラルド色になる美しい色の川に行っても何も湧き出てこなかった。
海に行っても、その大きな波に感動はしない。じっと座って心の不安を慰めてはくれるけれど。

ハムスターのフォルム、バーニーズマウンテンドッグの眉毛、椅子の曲線、いくつも塗料層が重なったビルのひび割れ、金魚のヒレ、金魚の眼差し、、
そういったものにドキドキはするけれど、「ウハー!たまんねえ!」とはならない。

自分がそうはならないから、人を感動させたいとか、見たことのないものを見せてあげたいだとか、私だけの特別な世界を届けたいなんて全く思わない。
私の器はとても小さく、そして浅いのだ。

「いやー、〇〇美術館に行ったら●●の作品があって、絵の世界に引き込まれちゃったよ。気づいたら夢中で2時間は見てたよ」
なんて言われた日にゃあ、それ本当か?絵画の世界にのめりこめるのか?
私なんぞ、絵の世界にダイブ出来るのはバッチリ波長があっても20分くらいが最長だよ。
悔しいから卑屈な気持ちになるのだ。
2時間だなんて、絵画的な技法とか刷毛目とか描かれてるものを理解したいとか、キャプションとか、「この絵いい感じだわあ、参考にしたいわあ」的な目で見てたんじゃないのか?とか思ってしまうのだ。

でも、絵に引き込まれるっていうのは、嘘じゃないし、ありうると思うのだ。
いつかきっと、ものすごく心惹かれ、私を招いてくれる絵画なんかに出会えたらいいなとは思う。
大自然やら娯楽や産業的な要素が詰まったものやら、商業てきな感動の押し付け系インスタレーションやらにはそういうぶわあっとした要素を期待してないんだけど、絵画にはなんとなく期待している。

でもそういう人ってうまくやれてないから、だいぶアンテナ飛ばしてないと出会えないんだろうな。
そういうのに出会えたら、私はしまいこまずに大切な人や、私を好きでいてくださる方に見せたいなと思う。

そういう人や作品に出会えた時に、劣等感でいっぱいいっぱいになってしまったり、逆にビジネスライクにサバサバしすぎたり、くっだらないことを話しすぎたり、
そんな風に自分じゃない状態にはならないでいられるくらい、まあ、日々の自分の創作を大切にしなきゃだなと思う。
 




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