2020.0318　簡単にわかってたまるか

盲目的に主張！ではなく、思想の振れ幅、悩み、そう言った弱さにつながることも含めて味わってもらいたい。
分かりやすい感動とか映えとかは生み出さないようにしたい。
それらは絵にもインスタレーション、どちらにもある。

でもやっぱり絵を描く自分と、インスタレーションをする自分は、「見据えている方向」が異なる気がする。

絵は心や思想などをぎゅっと詰めている。世界を収縮させた結果の私と見つめている。
インスタレーションは、人に働きかけたい要素がある。私を核に、外部を見渡している。

まず絵ね。
お前何様だよ、って我ながら自己嫌悪になるくらい、
すごく意地悪なことをさんざ考えながら絵を描いてるんだけど、
鑑賞者にも思考を強要するところがある。

そんな私の絵を理解してもらうために、
私が、私の中に落ちて行きすぎないようにするために、
インスタレーションを作ること、そして見てもらうことに意義があると思っている。

最近のインスタレーションってなんなんだろう。残念なものも多い。
ただ手法の特殊さや圧倒される規模。
魂がなく、添加物のような要素の後付けで成り立たせている。
SNSで喜ばれる娯楽の一部。
作家という冠を被った、オーダーメイドのデコレーションじゃないか。

それだけは嫌だ。
魂こそを大切にしたいのだ。

魂を捨てずに、創作を続けたいのだ。
魂に触れること、触れさせることはとても難しい。

幸い、私のインスタレーションでは割と社会とか街など、外にテーマを向けることがあるから、
鑑賞者もとっかかりとしてはきっと触れやすい。
だけど、きっと分かりづらい。なぜなら絵画と同じで、鑑賞者に思考を強要するからだ。
そんな簡単に、私の魂をわからせてたまるか。

でも、きっと私の入口はイージーなインスタレーションの出口まで付いてきていただけた方というのは、
私の入口からしてタイトな絵画世界にもひょっこり遊びにきていただけるんじゃないかなと思う。



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